二相ステンレス鋼の開発状況

二相ステンレス鋼 (DSS) は、フェライト相とオーステナイト相がそれぞれ固溶組織の約半分を占める二相組織を有するステンレス鋼です。その独特な微細構造特性により、化学組成と熱処理プロセスを適切に制御することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の優れた靭性と、フェライト系ステンレス鋼の高強度および耐塩化物応力腐食性が組み合わされます。ステンレス鋼は 2 つの相の利点を兼ね備えており、世界中でますます広く使用されています。現在、世界の二相ステンレス鋼の生産量は15万～40万トンで、ステンレス鋼総生産量の1～3％に過ぎませんが、過去10年間の年平均成長率は急速です。は、2005 年から 2008 年にかけて 6 倍に増加しました。石油・ガス、化学工業、淡水浄化、紙・パルプ、食品、軽工業、さらには建築や建物などの構造部品にも広く使用されています。

現在の二相ステンレス鋼の開発は 3 世代を経ています。DSS の第 1 世代は、1960 年代半ばにスウェーデンで開発された 3RE60 鋼に代表されます。この鋼は、耐塩化物イオン応力腐食環境として使用できますが、溶接熱影響部の問題があります。第 2 世代の DSS は、1970 年代以降に AOD および VOD 精製技術の発展と組み合わせて開発され、炭素と窒素の含有量が超低量であるという特徴を備えています。 DSS の第 3 世代は、1980 年代後半に開発された超低炭素、高モリブデン、高窒素含有量の超二相ステンレス鋼 (SuperDSS、SDSS) です。代表的なグレードとしてはSAF2507、UR52N、ZERON100などが挙げられます。

第 3 世代のスーパー二相ステンレス鋼の開発以来、優れた機械的特性と高い耐食性を兼ね備えながら、同様の特性を持つスーパー オーステナイト系ステンレス鋼やニッケル基合金と比較してコスト面での利点を備えています。そのため、油田やガス田、石油化学や化学処理などの産業での用途が急速に成長しています。ただし、熱海水中での長期使用条件など、より厳しい腐食環境の地域や、改良油を使用した坑口など、耐食性・機械的特性の総合性能に対する要求がより高い海洋・深海地域では、二相ステンレス鋼の耐食性と機械的特性は、制御システム、深海の海底パイプライン、パイプライン ケーブル、その他の作業条件での使用の要件を完全には満たしていません。また、コスト管理の観点から、エンドユーザーは設計の厚みを薄くすることでコストを下げることができ、より高強度な材料が求められています。

したがって、人々の要求の継続的な改善と近年の二相ステンレス鋼の開発に伴い、より高い強度とより優れた耐食性を備えた新世代の二相ステンレス鋼材料である超二相ステンレス鋼が誕生し、開発および適用されています。より専門的な情報については、引き続きご注目ください。 溶接ステンレス鋼管メーカー .